胃瘻管理時の水分量の工夫

「胃瘻」は、食物や飲料や医薬品などの経口摂取が不可能または困難な患者に対し、人為的に皮膚と胃に瘻孔作成をし、チューブ留置し・食物や水分や医薬品を流入させ投与するための処置のことです。胃瘻に用いる栄養剤には液体・半固形と2種類あるのですが、食道で逆流が起きやすい患者さまも在宅診療の現場には多く、こうした場合は半固形の栄養剤を用います。

固形栄養剤は1000カロリー分ほどを1日に注入しますが、そこに含まれる水分量は1000mlです。これでは一日の水分補給量としてたりません。したがって当院では、夏暑い日にはこれらの固形栄養剤に1000mlほど水を追加して注入します。冬も乾燥しやはり水分不足に陥ることも考えられるので、500mlほど水を追加して注入しています。

こうした天気、温度、湿度などといった基本的な情報に、患者さまの健康状態にも留意して追加する水分量を調整しなければなりません。患者さまが下痢をしているような場合は人体から水分が多く出てしまっていることが推測できるので、水分量を多くしたり、などです。こうした細かい技術が、患者さまの健やかな生活の一部となっていくのです。

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