訪問診療における急性病変に対する点滴治療

訪問診療で点滴する場面は大きくわけて二つあります。

一つは、癌などで、消化管が使えない状態で長期点滴管理をすること。もう一つは脱水症、尿路感染症、肺炎などの急性病変で点滴する場合です。

今回は急性病変での点滴についてお話します。患者様から「食事がとれない・熱が出た」という連絡が来ます。その場合まずは往診に伺い、早期診断、早期治療開始を心がけます。高齢者の脱水などは対応が早ければ、大事にいたることが少なくなります。数日の点滴で元の状態に戻ることも多いです。

尿路感染などでは、原疾患による排尿障害や脱水症も背景にあるため、初日の点滴治療は効果的です。速やかに解熱すれば内服薬への切り替えもスムーズに行えます。
在宅で肺炎といえば、誤嚥性肺炎といえるくらい多いです。背景には嚥下障害による慢性的な誤嚥が存在します。肺炎の治療は点滴だけでは対応しきれないことが多いです。3日間程度の点滴で改善しない場合は、一旦入院していただくことが多いです。

いずれにしても患者様の日々の生活、介護状態をよく知っている訪問診療においてタイミングよく点滴治療をすることは重要なスキルと考えます。

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