今から27年程前、泌尿器科学を選んだ私は、「診断から治療まで、内科的にも外科的にも自分で完結できる科」という思いで泌尿器科を選択しました。日本では皮膚・泌尿器科学として発展してきた一面もあり、当時は一般の方から泌尿器科というと『性病や性機能を扱う科』と思われがちでした。しかし、実際には泌尿器科では腎不全や、副腎に関連した内分泌疾患、尿路に発生する悪性疾患、尿路感染や尿路結石症の炎症性疾患を幅広く扱います。現在では腎移植、がん手術、結石治療、前立腺手術を行う尿路の外科として認識されるようになってきました。

私はずっと泌尿器科手術に携わってきました。しかしいずみの森クリニックの開設と共に、また諸事情もあり、『在宅医療』という全く畑の違う現場に身を置くことを決心したのです。すぐに脳裏をよぎったのは、「あまりに専門性の強い場所で仕事をしてきた自分が在宅の現場で仕事が出来るのだろうか?」という事です。「年齢も50歳を超えて、今更・・・」とも考えました。

 いざ働き出してみると、尿路にトラブルを抱えている患者さんが大変多い事に気づきました。前述した、尿路カテーテルや、尿路感染症、男性であれば前立腺疾患などです。また、患者様の全身状態の診察に関しても院長に質問しながらスムーズに行えております。特に、神経疾患などの知識、診察の経験は乏しいので質問の嵐です。そして大切なことなのですが、患者さんやご家族の話を一所懸命に聴く、症状を訴えている部位を実際に触ってみる、といったような当たり前の事を行うことで、心配していたような事は払拭されたのです。

 専門性の強い診療科の先生方でも心配はいりません。まだまだ小さなクリニックですが、スタッフ同士の風通しも大変良く、どんなことでも質問していただければ必ず相談にのります。患者さんはみなで診ていくのです。在宅医療に興味のある先生方、是非ご連絡ください。お待ち申し上げております。